
守屋武昌『「普天間」交渉秘録』新潮社、2010年
僕がこの人に会ったのは9年前の2001年11月。
防衛庁長官官房長の広い部屋に入ると彼が。
小太りで背の小さい冴えないオジサン。
当時、中学生の僕が挨拶をすると彼は
「あぁ、どうも。はい…」の一言。
今考えると激務でチビッ子の相手どころではないと思えるが、
「官僚って冷たいんだなぁ」と子供心に傷ついた。
14歳、中学2年生の記憶。
守屋元防衛事務次官側が上告取り下げ、実刑確定
彼は、上告取り下げを決意した理由の一つに、
本書を出版し、普天間基地移転の交渉経緯を説明できたことを挙げる。
彼はそこで何を主張したかったのだろう?
☆
目次
第1章 在日米軍再編へ
2章 「引き延ばし」と「二枚舌」
3章 十年の時を経て
4章 防衛庁の悲願
5章 不実なのは誰か
6章 普天間はどこへ行く
あとがき
将来に向けての日本の防衛
本書は、著者が防衛事務次官に在職した2003年8月から2007年8月までの約4年間を中心に、在日米軍再編と防衛省昇格に著者がどう関わったかを記している。
当事者の発言内容や、基地移転をめぐる論点の説明は細かく、官僚らしさと彼の几帳面な性格をうかがわせる。事実関係の適否に関しては議論があるところであろうが、交渉過程の裏側を95年のSACO以来、ずっと見てきた彼にしか書けないという点で貴重な資料だ。
汚職(収賄)事件についての言及はほとんどなく、ひたすら基地移設をめぐる交渉の過程を叙述する。
そこで彼が主張したいのは、沖縄の担当者が合意内容を履行しないこと、そして、それを可能にしている中央政界の「不実」であり、官僚としての職分を守りつつ日米合意の履行を図る自らの「誠実」さである。交渉相手や部下を叱責する言葉からは前者が、小泉首相の後押しや官僚の不文律を強調するところからは後者が見て取れる。
ただ、主張はそれだけだろうか?
注目したいのは付録「将来に向けての日本の防衛」だ。
付録では、冷戦後の安全保障環境の変化とそれに伴いアジア・太平洋・インド洋海域におけるシーレーン防衛の重要化していること、そして、そこでの日本の地政学的重要性を指摘、日本における在日米軍・自衛隊のプレゼンス確保を主張している。関係はするが主旨が違う。
彼は、長期的大局的な防衛政策の必要を訴えているのではないか。
「普天間」交渉の困難も、米軍基地再編にアドホックに対処する結果であって、全部が沖縄当局や国会議員の責任ではない。国の安全保障に関する議論が収束を見ないがゆえに、政策過程が歪む。議論どころかタブー視されている観すらある。
防衛庁の省昇格に心血注いだ彼の根幹には、防衛軽視に対する反発と危惧があるのだろう。
☆
先日の講演会で増田好平元防衛次官が提示された論点。
1 昭和16年から20年までの戦争の総括
2 憲法上の位置づけ
3「否定」的に規定される「基本的防衛政策」
4「平和」の定義
5「核の廃絶」と「米国の核抑止力への依存」の併存
6 いわゆる集団的自衛権を認めないことの合理性
7 自衛隊の特殊性
「利害計算ではもう無理。特定立場にコミットした一貫性のある防衛戦略の必要」
印象的な一言。課題。
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読んでてに思うのは「あの人が生きてたら?」という空想。
ボロクソに叩かれている防衛省の幹部の方々は知っている。
まあ、叩かれるんだろうなぁw
(H・ω・M)
どうだろうと、中国と仲良くすると思う。日本は今のままいくと衰退だろうけど、中国はこれからモノとかいっぱい買ってくれそうな大事な所になりそうだから。
返信削除もし、中国が日本に最悪侵攻しても極力アメリカは中国に配慮するだろうね~
キリスト教精神なんてこれっぽちも残ってない国だろうからwww
↑のコメントミスったw
返信削除「俺がアメリカ人なら、日本と日米安保が」
ってのが抜けてるw