2010/08/10

フィクションがリアリティを獲得するとき①


ジブリ 創作のヒミツ 宮崎駿と新人監督 葛藤の400日

スタジオジブリのアニメーション作品は何が素晴らしいのか?

この問いに答えるのは難しい。

夢あふれる舞台設定が非日常に誘うからか。
人間味あるキャラクターに魅力を感じるからか。
ストーリーに隠されたメッセージが心を打つからか。

違う。なんだろう。



NHKで放送された本番組は「借りぐらしのアリエッティ」完成までの、
新人監督・マロさんと宮崎駿とのドラマを追ったドキュメンタリー。

本作が初監督となるマロさんに重くのしかかる重圧。
後継者の育成と完璧志向との間で揺れ動く宮崎の心。

口を出したくても出してはいけない。
これ以上ないほどにお互いを意識しつつも、沈黙を守る二人のプロ。

言葉が尽くされ、陳腐に堕したドラマよりも、よほどドラマティックな400日。



ただ、重要なのはそこではない。

大事なのは、彼らがアニメーター出身の監督であるがゆえに、
「画に命を宿す」ため、異常なほど執念を注いでいる姿である。

アニメーションは連続した静止画。
止まった画が動いているように、あたかも生きているようするには、
それが嘘であっても、現実そのままであってもいけない。

ゼロコンマの世界の動きでキャラクターに命を吹き込む。

メイちゃんも、キキも、アシタカも、千も、ポニョも生きている。
それは何よりも彼らが動いているからなのだ。

宮崎駿もマロさんも生命を創る、神様だ。



ジブリのアニメはつまらない。

ストーリーなんてあったもんじゃないし、
キャラクターだって変なやつばっか、
自然破壊なんてありきたりなメッセージは今時伝わらない。

でも、ジブリのアニメは面白い。

何度でもあの人に会いたいし、あの街へ行きたい。
僕は間違いなくジブリの「あの人・あの街」にリアリティを感じる。
アニメーションにしかできないリアリティがそこにある。



以前のエントリで脳の認知について触れた。

脳は見える世界のすべてを私たちに意識させない。
だが、脳には見えているし、何らかの刺激が起きている。

1秒24コマの間に再現されたアニメーションの「動き」は、
私たちの脳に何を訴えかけているのだろう。

(H・ω・M)

P.S. まだアリエッティ見てないっすw

0 件のコメント:

コメントを投稿